虫歯治療Decayed

虫歯とは

虫歯の原因

虫歯の原因となる細菌が、糖から酸を作り出すことによって歯を溶かす(脱灰する)病気です。ミュータンス連鎖球菌を中心とした虫歯原因菌はプラーク(歯垢)の中に多く存在します。プラークはバイオフィルムという苔のような状態になって周囲からの刺激を遮断するため、虫歯原因菌が産生した酸が局所に停滞し、歯を脱灰します。

虫歯治療の痛みに対する医院の配慮

表面麻酔を行った上で、 痛みを与えないよう丁寧に麻酔をいたします。麻酔をしてから数分お待ちいただくことで、麻酔がしっかりと浸潤した状態で治療ができます。 麻酔の量が少しでも少なくできるようにします。多少の痛みがあっても麻酔をすることが嫌いな方や、麻酔しないでも良い治療であれば、臨機応変に対応させていただきますので、気軽にご相談ください。

歯の3層構造

エナメル質

体の中で一番硬い組織で、一般的にむし歯は進行しづらい。歯の再表層に位置し、中に刺激が伝わらないようにしています。

象牙質

歯の内部の組織で、刺激(冷たい・熱い・擦るなど)に反応して痛みを感じる組織。虫歯が痛いのは象牙質まで進行している場合です。知覚過敏の原因でもあり、歯茎が下がって根が露出するとしみるのは、根が象牙質で出来ているからです。

歯髄

いわゆる歯の神経。ここまで虫歯が進行すると激痛となります。何もしないでも痛い(自発痛)、冷たいものや熱いものがしみてからじーんとしばらく痛みが続く(持続痛)が出た時は要注意です。

虫歯の進行段階とその治療

▶︎ C1

エナメル質の中の虫歯です、基本的に痛みはありません。歯科保存学会「う蝕治療ガイドライン 第2版」においても削らずに、フッ素塗布による進行抑制や再石灰化を推奨しております。特に歯と歯の間のC1は、削らない治療を第一選択とします。

治療内容 歯ブラシ・フロス指導、フッ化物塗布
治療の流れ 初回に歯ブラシ・フロス指導を行い、歯石除去治療・歯面清掃(PMTC)を行います。最後に高濃度フッ素塗布を行い、進行しないよう定期的な管理を行います。

▶︎ C2

象牙質まで進行した虫歯です、冷たいものにしみる、食べ物が挟まるなどの症状が出ることがあります。C2となると進行抑制するのが困難となりますので、基本的には治療が必要となりますが、しっかり治療すれば神経も温存でき、最小限の侵襲で歯を守ることができます。

治療内容 コンポジットレジン充填、インレー修復
治療の流れ ・コンポジットレジン充填
最小限の侵襲【Minimal Intervention(MI)】の理念に基づき、極力虫歯だけを削り、白い詰め物で歯の形態を回復します。基本的には1日で治療が終わります。歯と歯の間の虫歯も可能な限りコンポジットレジン充填で治療を行います。
・インレー修復
歯と歯の間の虫歯が大きな場合に行います。削った後に型を取り、模型上でインレーを作成し、装着します。基本的に治療は2回(かなり虫歯が大きいと3回)で終わります。コンポジットレジン充填と比較して、歯を削りますが、模型状で技工士さんが詰物を作るので、歯の形態の回復が行いやすいというメリットがあります。
・歯髄温存療法
虫歯がかなり深く、神経にかなり近いけど症状がそれほど強くない虫歯に対しては、神経の保存を試みます。神経の近くに断熱材のような材料を置き、刺激を遮断します。しばらく症状が出ないことを確認し、神経に問題がなければ、コンポジットレジン充填、インレー修復に移行します。
治療期間 2〜3回

▶︎ C3

歯髄まで虫歯が進行した状態です。ほとんどは痛みを伴います。何もしないでも痛い(自発痛)、刺激による痛みを感じてからしばらく痛みが続く(持続痛)等の症状がある状態を歯髄炎と言います。歯髄炎では神経をとる治療が必要となりますが、しっかりと治療すればまだ自分の歯で噛めるので早めの治療をお勧めいたします。虫歯はないと言われたけど上記のような痛みがある方もご相談ください。歯にヒビが入って(歯冠破折)、歯髄炎になることもあります。
歯髄炎を放置すると神経が壊死(歯髄壊死)して根の先に膿がたまる根尖性歯周炎に移行することがあります。一度神経をとった歯に再感染が起こった際にも根尖性歯周炎になることがあります。治療は神経をとる治療と似ておりますが、根の中に入っている薬を一度取り、中をきれいにして消毒を行います。神経をとる治療と比べて痛みは少ないですが、消毒の回数がかかります。

治療内容 抜髄(歯髄炎)、感染根管治療(歯髄壊死、根尖性歯周炎)
治療の流れ ・抜髄
麻酔をしっかりと効かせてから、神経をとります。神経の部屋にアクセスるるためにある程度歯を削らなければなりません。丁寧に神経を除去し、消毒できる太さに神経の通り道を太くしていきます。痛みがなくなった段階で、 再感染を防止のために 神経の通り道を密封します。一般的に治療は2〜4回ほどかかります。
・感染根管治療
基本的に麻酔は必要なく、前の治療で入れた防腐剤(細菌によって感染しているもの)を丁寧に取り除きます。根の内壁に付いている汚染物質を除去し、消毒薬を入れる治療をします。症状がなく、根の中がきれいになった時点で抜髄と同様に防腐剤による封鎖を行います。治療は3〜6回ほどかかります。一般的に感染根管治療は抜髄と比較して、再発する可能性が高く、より丁寧な治療が必要となります。そのため複雑な根の形態を把握するためにCTを撮影し、微小な汚染の原因を見逃さないためマイクロスコープを用いて治療をすると成功率の向上につながります。
・築造
抜髄、感染根管治療が終わると歯を失うので、歯を補強して土台を立てる必要があります。基本的にはコンポジットレジンを用いて行います。歯が大きく失われている場合は、鉄筋コンクリートのようにポストと呼ばれる支柱を立て、その周囲をコンポジットレジンを用いて補強を行います。滅多にありませんが、さらに歯が失われていると金属の土台をお入れしなければならないこともあります。
・クラウン修復
いわゆる被せ物です。歯をきれいな土台の形態に整えて、歯型を取ります。基本的には歯型をとってから完成になりますが、前歯などで色のチェックをしたい時や噛み合わせが難しい時は、一度試着してから完成に移ります。
治療期間 4〜8回

▶︎ C4

虫歯が大きく進行し、根っこだけが残っている状態です。歯茎が腫れた、膿んでいるなどの症状が出ることがありますが、ほとんどは無症状です。基本的には抜歯の適応となります。中には何とかもう一度治療することができる場合があるので、抜歯と言われたが抜きたくない方は一度ご相談ください。

治療内容 抜歯、症例によっては特殊な築造・クラウン修復
治療の流れ ---
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